吉井 誠
2009年8月 9日(日)
64年目のきっかけ...

 

今年も8月9日を迎えました。

朝の内は雲がかかっていましたが

昼が近づくにつれ青空が広がり、強い日差しが照り付けていました。

本当に暑い一日でした。

 

私は1977年生まれの31歳で

元々は神奈川県の出身です。

戦争や原爆については授業で触れる以上に

耳にすることなく成長してきました。

周囲の友人も私と似たり寄ったりだったと思います。

 

そんなある日、広島出身の友人とこんな会話をしました。

お茶だか食事だかを楽しんでいるふとした瞬間だったと思います。

 

「夏と言ったら平和学習思い出すよね」

「えっ?何その平和学習って??」

「8月6日に学校行って原爆の話聞くでしょ?」

「夏休み中なのに学校行くの?何それ。初めて聞いた。」

「あれ?関東は違うんだ。

 平和学習って全国的にあるんだと思ってた。

 でもそれじゃぁ、吉井クンは原爆について何も知らないんだね」

 

ショックでした。

小さい頃から「原爆」や「平和」について

自然に学んでいる友人を単純にすごいと思いました。

当時の私は、それ位平和に対する意識が希薄で

何も知らなかったのです。

 

それから数年後、私は長崎に引っ越してきました。

取材で様々な所に行き、多くの話を聞きました。

「知る」ことで「意識」が育ち、

平和についても考えるようになりました。

あんなに何も知らなかった私も少しは変われたのです。

 

今年の平和宣言で田上市長は言いました。

 

『世界のみなさん、今こそ、それぞれの場所で、

 それぞれの暮らしの中で、プラハ演説への支持を表明する

 取り組みを始め、「核兵器のない世界」への道を

 共に歩んで行こうではありませんか』

 

アメリカのオバマ大統領の

「核兵器のない世界」を目指すという演説を受けての言葉でした。

「世界を変えよう」という前向きなパワーと意欲を強く感じました。

 

人間は「知る」ことで変わるきっかけを掴むことができます。

もしそれが広がれば世界の流れだって変えられるかもしれません。

 

被爆地・長崎はそんなきっかけになる力を秘めた町です。

一人ひとりがその力を持っていると思います。

 

長崎に住む私達は今、何ができるのか。

そして、何をしなくてはならないのか。

 

被爆64年目のきょう、

まずは私達が「核兵器のない世界」に向けて

足並みを揃えて共に歩んで行かなくてはならないのかもしれません。

 

 

 

あなたが変わるきっかけは何ですか?

 

 

 

2009年8月 5日(水)
被爆植物の今

 

九州北部もついに梅雨明けしました。

今朝は気持ちの良い青空が広がっていて

ようやく夏らしい、夏が到来したなと実感します。

 

みなさんは「被爆植物」をご存知でしょうか。

 

文字通り「被爆した樹木」のことで、

今、長崎市では被爆の実相を伝える被爆遺構の一つとして

32件の被爆植物を認定しています。

 

山王神社の被爆クスノキが有名ですが

実は32件の被爆植物の内、個人が所有するものが17件もあります。

一般家庭の軒先や門前などの敷地内に生えているのです。

 

森田さん宅の被爆柿の木.JPG    

 

今回取材で伺った森田さん宅の柿の木も

その一つです。

葉を茂らせ、一見すると元気そうですが

根元を見ると熱線で焼け焦げた跡があり、

「被爆植物」であることがよく分かります。

 

黒く焼け焦げた被爆の傷跡.JPG

 

この木は14年前に樹木医から治療を受けました。

被爆のダメージで枯れる危険性があったからです。

治療は成功し、柿の木は今も実をつけ続けています。

 

青い柿が実っています.JPGのサムネール画像

 

しかし、戦後64年が経ち、

台風や病虫害など理由は様々ですが

被爆植物は減り始めています。

 

森田さんの柿の木を治療した

樹木医の方がおっしゃいました。

 

『木は自然条件さえ整えば、寿命なんてないんです。

 永久に育ち続けるものなのです。』

『しかし、原爆でひどい傷負ってしまった木は

 手当てしないと生きていけない。』

『人間が落とした爆弾で傷つけたのだから

 人間がしっかり責任をとらないとならないという思いで

 私は治療しています』

 

原爆の熱線と爆風にもめげず、

その生命力で復活を遂げてきた被爆植物。

後世に伝える取り組みが続いています。

 

きょうのスーパーニュースの特集で

「被爆植物の今」を放送します。

戦後64年。

直面する課題にスポットを当てました。

是非、ご覧下さい。

 

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