番組審議会報告

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第582回番組審議会 2023年11月8日

第582回番組審議会は、2023年11月8日にテレビ長崎本社で開催され、下記の番組について審議を行った。
第582回番組審議会では、10月11日に開催された第581回番組審議会で諮問が行われた「民放連放送基準の改正に伴うテレビ長崎番組基準の一部変更」について、「変更は妥当である」という番組審議会からの答申があった。
※放送法第6条第3項の規定による

審議議題番組  ドキュメント九州 「私たち、転校しました ~日本一15回のバレー部」
2023年9月25日(月)  26時40分~27時10分放送

出席委員(順不同・敬称略)

菊森 淳文
田崎 智博
近久 宏志
内田 輝美
前田 徹
藤岡 良規
河村 有教
北村 由香
以上 8名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

審議の概要

  • 高校生目線で、さらっと、結構クールに作られた番組だなと思った。地域の人の笑顔も見られたし、本人たちの笑顔も見られて、重たく作り過ぎず、彼女たちのちょっとした未来が輝いている感じが見えるような作りで、番組はすごく良かったと思う。
  • 指導者の都合で、一旦入学した生徒が転校まで考えなければいけないというのは、何で起きたんだろうと、どうしても考えてしまう。指導者が生徒に学校を変わらせてしまうことに対する気持ちをほとんど語っていないという気がした。それは、ひょっとしたら取材した側の遠慮なのか、あるいは、ちょっと前の言葉でいうと、忖度とか、そういうものを、何かもやもやとしたものを感じてしまった。指導者の言葉が一言欲しかった。
  • 賛否両論が巻き起こるくらい難しいテーマではなかったかと思う。ただ、番組の中の彼女たちの表情は潔く、真っ直ぐで、視聴している側の心を大いに揺さぶるものだった。
    賛否両論を限りなく省き、彼女たちと、町の方達に焦点を当てたことは、非常に良かったと思う。
  • 今回のように指導者について転校までするというようなことを「正しい」と誘導するような番組作りになっていなかったか...、ということは再度検証すべきだと思う。今回のことを「当たり前ではなく、そのことに感謝をしている」といったコメントがあったのが、救いではあると思ったものの、そこに至るまでの葛藤などが描かれていれば、なお良かったのではないか。
    難しいしいテーマの番組だと思ったが、覚悟を決めて頑張っている彼女たちの姿には、純粋にエールを送りたいと思っている。
  • 番組の構成内容が、転校したバレー部員の活躍の様子がとても中心になってしまっていて、試合に勝ち進んでいく様子を描くことで、ちょっと単純化されてしまったのではないかと、残念に思った。
    番組では、多分、単に試合を勝ち進んでいく様子を描きたかったのではなくて、もう少し生徒たちの思いというものを明らかにするというか、その転校に係る背景も含めて深く掘り下げて描いてもよかったのかなと思う。例えば、なぜ監督についてきたのかとか、転校に伴う不安はなかったのか、不安があるとしたら、それはどのようなものだったのか、転校後、生活がどのように変わったのか、転校で生じた問題も多分あると思う。そうした点も含めて、深く生徒の思いを掘り下げてもらうと、さらに内容の濃い番組になったのではないか。
  • なぜ彼女たちが転校しなければいけなかったのか、そこの部分、なぜ移らなければいけなかったのか、また、どういうことが事実としてあったのかを伝えないと、この番組は本当の意味では成立しないのではないかと個人的には感じた。大人の事情みたいなものに翻弄されて、全てそれを子どもが引き受けているといったような印象を個人的には受けて、今回の番組が、視聴者に過剰にそう感じさせてしまうような構成になってしまったのではないかというふうに感じた。
  • しっかりと取材はしていて、彼女たちから聞ける部分、聞けない部分、保護者たちから聞ける部分、聞けない部分というところも精査して放送していたのではないか、というところもあるが、彼女たちの、転校したばっかりの取り巻く環境、生活面とか、一部放送された部分もあったが、学校生活がどうだという彼女たちの本当の葛藤とか心情みたいなものをもう少しうまく引き出してほしかった。
  • 番組のタイトル非常に良かった。いろいろなドキュメントを見たが、今回のタイトルは、今までの中でも一番わかりやすくて良かったと思う。最終的に高校生の視点でこのドキュメントを描いているということを端的に表したタイトルだと思う。
  • 葛藤とか、転校とかではあるのではないかなと想像しながら見るが、結構彼女たちから出てくる言葉は、ポジティブな言葉、陽気であっけらかんとした感じ、そういう感じが非常にあった。
    私たちはバレーをやることが大事という感じで、実際、本当にそういう感じなのかなとも思う。そういう意味では、本当にそこが本心なのかどうかというのはいろいろご意見があるだろうが、高校生って意外とそういうところってあるよなというところを映し出したのは、すごい映像の力だなという感じだった。
  • 放送時間は気になっている。やはり深夜2時40分からというのは、いい番組みたいだなと思っても、視聴したほうがいいとなかなか勧めにくい時間帯だと思っている。
    これだけ良質のドキュメンタリーを、時間をかけて制作陣の方は、やっていると思うので、社としてもできるだけいい時間帯に見てもらえるような、いろいろな制約はあるかもしれないが、取り組みをしていただきたいということは、お伝えしたい。
  • 番組自体は30分という非常に短い時間の中に凝縮されていて、若者のスポーツを通じた育成というか、学校側から見ると育成だが、本人たちが非常に楽しんで日常生活を送ることができているという事実は非常に大きく、それを上手に描写しているなというのは、まず一番目に感じるところだ。
    過去の、ここに至る事情がどうであったとしても、やはり学生にとっては一度しかない青春なので、そういった点をメインに、今回は、30分の中に描き切っていると感じた。
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