番組審議会報告

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第584回番組審議会 2024年1月13日

第584回番組審議会は、2024年2月14日にテレビ長崎本社で開催され、下記の番組について審議を行った。

審議議題番組 ドキュメント九州「96歳、語り継ぐ」
2024年1月13日(土) 26時35分~27時05分放送
審議議題番組 みジカなナガサキ
(1) 未来をつくる!技術の力 2023年11月1日(水)放送
(2) 浜の魅力を生かす海業 2023年11月29日(水)放送

出席委員(順不同・敬称略)

菊森 淳文
田崎 智博
近久 宏志
内田 輝美
前田 徹
藤岡 良規
河村 有教
北村 由香
以上 8名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

審議の概要

ドキュメント九州「96歳、語り継ぐ」

  • 心を揺さぶられるドキュメンタリー番組。被爆経験だけにとどまらず、戦争時に、築城さんがどういう思いで、どういう生活をしていたのかという視点も含まれていて、全般的に、戦争に対することであるとか、あるいは何を求めたいのか、被爆者の言葉がストレートに伝えていて、核兵器をなくそうということを含めて、非常にすっきりとした、わかりやすい番組だった。
  • 起承転結にのっとって、きれいに番組を作られていて、何回も考えさせるような、ちょっと涙が浮かぶような形の番組になっていた。ドキュメントとして、全体的に本当にすばらしい番組構成だった。
  • 長崎においては、昔から平和教育は原爆が起点であり、そこは誰も疑う余地がないと思っていたので、原爆の話はしないようにという教育委員会からの指導があったということは、知らなかった。
    ただ、今回の番組からは、これがいつ頃の話なのかが、ちょっとわからなかった。40年以上前、私が小学生の頃は、普通に原爆を起点とした平和教育が行われていたように思うし、原爆の歌も歌っていた。「はだしのゲン」も読むように指導を受けた。なので、ちょっと、そこがもう一つわからなかった。
  • 原爆を扱った番組は、いくつか審議してきたが、今回の内容は、これまでと比べて、一番踏み込んだ内容になっていたのではないか、主張がしっかりできていたのではないかと感じた。
  • 築城さんの考える平和に対する真っすぐな姿勢に感動した。『96歳、語り継ぐ』というタイトルもシンプルで本当に良かった。
    長崎の県民としては、こういう番組を見たい。本当に被爆者がゼロになる時代がやってくるだろう。その前にこのような番組をたくさん見たいし、もっともっと若い人たちに見せたいと思った。
  • 感じたのは、これも映像の強さと思うが、細かい仕草であるとか、話していないときの歩く足元の様子のクローズアップとか、印象的な映像が差し込まれていると感じた。
    九州各県や沖縄で放送される「ドキュメント九州」で、長崎の事情とか被爆者の状況をよく知らない方が初めて見るという点でいえば、すごくわかりやすい、まとまった内容になっていたので、こういう番組をどんどん放送してもらいたいと感じた。
  • ドキュメント九州を見ていて、当事者の言葉を重視するのはわかるが、取材者のメッセージが薄いといつも感じる。取材をして気付いた問題点とか、問題意識をどこかに込めていくということ。ドキュメント九州も、余韻が残るし、見た人が考えるきっかけにはなるが、どこかに一点、ディレクターが取材を通じて感じた問題意識とか、メッセージをナレーションみたいな形で、もっと入れていってもいいのではないか。
  • 築城さんの若い頃の資料映像も非常に効果的に使われていたと思う。静かな作りで、音楽であるとか、字幕であるとかで感動を誘導しない、あるいは強要しない、そういう姿勢が貫かれていて、そこにも共感を持った。築城さんの意志の強さ、本当に控えめな人柄がよく伝わる中身になっていた。
  • 被爆者の高齢化問題に対処するためには、適切な医療や介護サービスの提供、経済的な支援、精神的なケア、そして、記録と伝承活動の強化が必要だと思う。また、被爆者やその家族、行政とも協力して、今後は、被爆者のニーズに応える支援体制を構築することが最も重要ではないかと考えさせられる番組だった。
  • 本人、出演者の言葉をつないで表現していくという意味では非常に成功している。30分という非常に短い時間の中で、起承転結をきれいに入れていると思う。
    最後に英語で話す、「Good morning. My name is Shouhei Tsuiki.」、「96 years old」と締めくくったのは非常に印象的で、国際的に今までいろいろな講演とかも経験されているのかもしれないが、もう一度英語を勉強し直して、直に自分の言葉でぶつけていく努力をしていることに驚きを感じた。

みジカなナガサキ

  • 何で5匹の動物なのか、何でシカなのかというところがよくわからなかった。海業に関しては、壱岐が紹介されていて、観光に行くのもいいかなと思って見ていた。訪れた人の感想があったが、長崎の人なのか、県外の人なのか、スーパーが入っていれば、県外の人も行っているのかがわかってよかったのではないか。
  • 情報量がいっぱいで、整理されていないし、わかりづらくて、一度見ただけで何もインパクトが残らなかったというのが率直な感想。
  • ドローンの紹介は、なぜこれを取り上げたのか疑問に思った。鯖寿司のデモフライトは一般のニュースでもかなり取り上げられ、新聞記事にもなり、放送もされた。ニュースにもなっている話を再度、同じような素材で番組にするのは、もったいない。他の内容で放送したらよかったのではないかと思った。
  • 県民に関心を持ってもらうねらいからすれば、それぞれのテーマの後とか、最後にでも、例えば、県はこのIT関連の振興にこれぐらいの予算を計上していますとか、海業の振興にこういう施策があるとか、これぐらいお金をかけていますという説明を入れると、県民にも、税金がこれぐらい投入されているというところで、身近に感じて関心を持ってもらえるかもしれないと思う。
  • 長崎県の施策や取り組みについての周知や理解促進は大切であるが、一方で情報の透明性と公平性を確保し、県民に対して公正な情報提供を行うことが求められると思う。
  • 以前は、長崎県庁の担当職員が出演して、説明などをしていたが、見ている側としては、わかりにくかったりというのがあった。今回は、すっきりして見やすかった。海業という言葉を初めて知ったので、とても興味深く視聴した。海業に関しては、他の事例も見たかった。
  • 紹介する内容がものすごく多く、短い番組をぱっと見て、県民の方々が本当に理解できたのかというようなスピードで展開していくので、テレビの時間の4分間という制約は、結構厳しいと思った。テレビという、視聴している年齢層がどんどん上がっている媒体をうまく使って、県としては、どういうマーケティングというか、どういう階層に対して、どういう年齢層に対して、どういうことを訴えようとしているかという、このマーケティング戦略をもう一度考えなければならなくなってきていると思う。
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