2025年10月01日 20:00
「被爆体験者」の救済求める控訴審 裁判長の交代で年度内判決が厳しい見込みに
被爆体験者訴訟の控訴審が福岡高裁で開かれました。
裁判は1日で結審の見込みでしたが、裁判長の交代で改めて争点の整理が必要になり、年度内の判決は厳しい見通しです。
1日は長崎から原告10人のほか、支援者や弁護団など総勢25人がバスで福岡高裁に入りました。
この裁判は、被爆体験者43人が県と長崎市に被爆者と認めるよう求めているものです。
裁判で原告団長の岩永千代子さんが意見陳述を行い、病気に苦しみ、次々と亡くなっていく実情を訴えました。
そして、いびつな形の被爆地域の在り様や、放射性微粒子による内部被ばくを認め、被爆体験者を救済するよう求めました。
裁判は1日に結審の予定でしたが、新しく変わった裁判長から被爆の影響や長崎の地理をもう少し確認したいなどの申し出があり、終結しませんでした。
原告 山内武さん
「ここまで来た以上は」「最後までやるんだということで、まだ続く限りはやっていこうと思っております」
岩永千代子 原告団長
「この苦しみが原爆のせいじゃない、という国の解釈があまりにも人権無視」「感情的に涙が出てしまうが自分自身も、もうやめたいという思いがあるが、それでもやらなくちゃ、やらなくちゃ、と思う」
弁護団は、原告がいかに3号被爆者の認定の要件となる「放射能の影響を受けるような事情にあった」か分かりやすく地図などにまとめたいとしています。
次回期日は12月17日です。