番組情報
2025年03月31日
【放送番組変更のお知らせ】3月31日(月)
1991年6月3日の雲仙普賢岳の火砕流では、43人が犠牲になりました。
遺体が発見された場所は、大きく分けて2か所。
消防団員や警察官が亡くなった北上木場農業研修所跡地周辺と、マスコミ関係者が被災した「定点」周辺です。
このうち農業研修所跡地は火砕流で被災した消防車とパトカーが現地に保存され、慰霊の鐘も設置されて追悼の場となっていますが、定点周辺は白い三角錐の目印が置かれているだけでした。
その定点周辺が、火砕流惨事から30年の今年、整備されました。火山灰や草むらに埋もれたままだった被災車両もようやく掘り起こされました。
当時この場所で何があったのか。30年経って何が変わったのか。
2つの被災地のありようの違いから、この災害から学ぶこと、忘れてはいけないことを考えます。
ディレクター:槌田禎子
30年というのは、長いようで短い。
被災した車が掘り起こされて「安置」されている様子を見たあるマスコミ関係者のご遺族が「ずっと消防団とマスコミ対する地元のまなざしの差を感じてきたが、やっとそれが、地元の方に受け入れられるというか、許していただくというか、それが形になって目に見えたような気がする」とおっしゃった言葉が印象的でした。
そして、かつてここに住んでいた人にとって、この石積みが見えてきたことで、ここに畑があった、田んぼがあった、かつて確かにこの集落に生活があった、そのことが感じ取れる場になったことがとてもうれしいです。
マスコミの行き過ぎた取材...いろんな問題がこの災害はありました。それだけに、この形になるまでは30年という月日が必要だったのだなと、いま改めて思います。
この番組で、そうした30年を感じていただければ。
「忘れない~普賢岳噴火災害30年~」
放送:5月25日(火)午後7時~