番組審議会報告

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第550回番組審議会 2020年9月9日

第550回番組審議会は、2020年9月9日 テレビ長崎で開催され、下記番組について審議した。

『伝えたいナガサキ 被爆75年 平和祈念式典』
(テレビ長崎制作)
放送日時 2020年8月9日(日) 10時00分~11時45分

出席委員(順不同・敬称略)

菊森 淳文
田崎 智博
柴田 守
石川 由香里(リポート提出)
近久 宏志
大川 綾
相本 倫子
内田 輝美

以上 8名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

放送事業者側の出席は 11名

審議番組は8月9日の平和祈念式典にあわせて放送する特別番組で、前半はこの1年の被爆地や世界の核情勢等を振り返る映像でまとめ、後半は式典の様子を生中継で伝えた。報道制作局次長の赤木健一郎は「今年は9日が日曜日であったため、放送時間を平日より15分長く確保することができた。ただし、被爆75年の節目の年だがコロナの影響で式典の規模等が縮小され、例年とは違う形となった」と説明。担当ディレクターで報道部の本田舞は「新型コロナウイルスの感染拡大で高齢の被爆者には取材を断られる等、制約が多い中、何を伝えるべきか苦悩して制作した」と述べた。

審議の概要(委員からの主な意見)

「伝えたいナガサキ 被爆75年 平和祈念式典」(2020年8月9日(日) 10時00分~11時45分放送)について
・番組構成・編集は工夫されており、好意的に見た。
・被爆75年で、被爆者に時間がないこと・コロナ禍・軍拡問題等「語るべき」テーマが過不足なく入っていて構成がうまかった。
・課題は十分、紹介されたが、これから平和に向けた活動をどのように起こしていくか、どうすれば平和を実現させることができるか、多角的に盛り込んでもらえればよかった。
・前・後半の間に中継で挟まれたアナウンサーと被爆者とのやり取りに言葉足らずな部分があったこともあって、番組全体に重複感と冗漫さを生んでしまったように感じた。
・前半部分で紹介された被爆者合唱団の被爆者がこれまでの苦悩を語り、新たに語り部として活動する姿に心を動かされた。
・被爆者の過去の映像も挿入され、折に触れ取材・記録していくことは地元メディアに課せられていると思った。また、取材相手との人間関係の構築や、取材の丁寧な蓄積がわかった。
・中継でアナウンサーがこれからの課題として「責任と義務 被爆100年へ」と述べたが、その言葉の意味を深く掘り下げてもよかったのではないか。
・コロナ禍で取材が制限されてはいるが、地元のテレビ局だからできることもあるだろう。今年の番組はさらっと通り越した、胸に迫るものを感じなかった。
・式典中継は粛々としていてよかった。
・式典進行について、アナウンサーの声が会場でのナレーションと重なる部分もあり、ナレーションはもっと少なくしてもよかった。
・安倍首相の挨拶について、広島のものとほぼ同じで「長崎に向けた独自のメッセージがなかった」等のナレーションがあったが、それは式典中継では、言わなくてもよかったと思う。
・9日の式典中継はNHKと民放全局が放送しており、生中継である必要があるのか。きちんと番組を制作してもいいのではないか。被爆75年を機に生放送である意義を考え直してもいいのではないか。
・出席者のしぐさや表情等、式典の様子が伝わってきたことで映像の持つ力、怖さのようなものも見えた。
などの意見が出た。
KTN番組審議会事務局 095-827-8183
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