番組審議会報告

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第554回番組審議会 2021年2月10日

第554回番組審議会は、新型コロナウイルス感染拡大が続いていることから委員全員が集まっての会議は開催せず、1月に続いて各委員がリポートを提出する「書面審議」とした。そして、各リポートを踏まえ、菊森委員長と番組審議会事務局長の徳川晃尚が3月10日に面談会議をして、審議番組についての意見をまとめた。

『羽田美智子 長崎こころの旅』
(テレビ長崎制作)
放送日時 2021年1月23日(土)16時00分~16時55分

出席委員(順不同・敬称略)

菊森 淳文
田崎 智博
柴田 守
石川 由香里
近久 宏志
大川 綾
内田 輝美
相本 倫子

以上 8名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

審議の概要(委員からの主な意見)

「羽田美智子 長崎こころの旅」(2021年1月23日(土)放送)について
  • 見ていてじわじわと気持ちが温かくなった。コロナで大変な状況だけど、出演している皆さんが笑顔で、前を向いて、今できることに全力で取り組み、未来に向けて「夢」を語るのは見ている私たちにも勇気を与えた。
  • このコロナに苦しみ、頑張っている方々の「こころ」に焦点を当て、それらをめぐる旅は新しくもあり、惹かれるものがあった。全体的に静かで落ち着いていて、視聴者に「やさしさ」を伝えられる番組になっていた。
  • コロナを縦軸に長崎の見どころを無理なく紹介していた上、県南の大型開発も全て網羅していて、構成・内容的に非常によかった。
  • 出演した女優の羽田美智子さん、吉井誠アナウンサーの雰囲気や柔らかい話し方が非常によく、番組タイトルの「こころの旅」にふさわしかった。吉井アナが長崎のことをうまく解説しており、アテンドとして的確だった。
  • 出演者の人選が良かったし、お店も東彼杵やリモートで五島とつなぐなど充実していた。ただ、出てくるお店などはスポンサーだったのか、その境界があいまいで「広告的」な要素が気になった。
  • 「昨年12月撮影」とスーパー表示があったのに、「今年」の放送に合わせようとしたやり取りや、ぶらりと訪ねたはずの店で店員が「マウスシールド」(口を覆う防護具)をすでに装着していたことは「仕込み」「小芝居」という感じがした。また、「旅」をしているはずが、別の日の取材分が「同じ日のよう」に挿入・編集されているなど、時系列としてみると不自然に感じた。
  • コロナ禍で「旅をしたい」「人と触れ合いたい」など自然な欲求を「旅番組で楽しんでもらう」というコンセプトの一方で、緊急事態宣言下の放送であること、「Go To事業」との関連、視聴者の旅心を煽ってしまわないかなど、負の側面も十分に考慮すべきだと思う。
  • この番組に限らないが、「ナレーション」や「進行役のセリフ」や「字幕」で、見る側の感動や感想を〝誘導〟することには抵抗を感じる。直接的には言わないけれど、見る人には「きちんと伝わる...」それがプロの仕事ではないか。
  • ドローン映像など、東彼杵の海や夕日など長崎の自然と街並みが非常に美しく表現されていた。また、羽田さんの「夕日、見てください。長崎が応援してくれていますよ」との言葉も印象深かった。
  • 「旅番組」は視聴者に「行きたい」と思わせることも大事で、番組内で紹介された店やアイテムについて、コロナが収束したら「行ってみたい!」との気持ちにさせるには情報量やインパクトが足りなかったと思う。
  • 「旅先」として、長崎大学や大学病院が出てきたのは意外性があり、内容も面白かった。長崎大学は、伝統的に伝染病の専門家が多く、コロナ対応でも活躍したという説明は興味深かった。
  • 長崎のテレビ局だからと言って「長崎県民に」「長崎の情報」だけを届けるのではなく、「『長崎』という地を活かしながら、県内だけなく⽇本国内や海外の共感する⽅に向けてことばと映像で表現する」ことも今後、考えていいと思った。

また、あわせて書面審議では、新型コロナウイルス関連報道や番組に関しても意見を求めた。

  • コロナウイルスの完全終息までは、警戒心を維持するような報道をしてほしい。
  • 視聴者の不安をあおるようなことはせずに、今まで通り事実を粛々と報道してほしい。また、視聴者が少しでも明るく元気になれるような番組作りを期待している。
  • いたずらに不安をあおるのではなく未来志向で、また制度の不具合を追及するなら対処の方法や次善の策などを伝える努力をするべきだと思う。注意喚起は大切だが、長崎の現状を正確に伝え、過剰なパニックなどを避ける報道が大切だ。
  • 今後は、ポスト緊急事態宣言、ワクチン接種、五輪・パラ開催の是非など、国民、県民も何らかの判断(心の整理)を迫られる局面が雪崩的にやってくる。冷静な判断に資するよう、正しく、ニュートラルな報道が求められている。
  • 先が見通せない閉塞感は、人々にあきらめをもたらす。投げ出さない努力を応援する番組を作っていただきたい。
  • コロナで経済的な影響を受け、支援を求めている人・企業と、支援できる人・企業をつなぐようなことができればいい。
などの意見が出た。
KTN番組審議会事務局 095-827-8183

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