番組審議会報告

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第587回番組審議会 2024年5月8日

第587回番組審議会は、2024年5月8日にテレビ長崎本社で開催され、下記の番組について審議を行った。

審議議題番組 Lovebabyスペシャル "たからもの"の未来へ~私たちにできること~
2024年3月31日(日) 16時00分~16時55分放送

出席委員(順不同・敬称略)

田崎 智博
近久 宏志
内田 輝美
前田 徹
藤岡 良規
河村 有教
北村 由香
以上 7名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

審議の概要 

  • 少子化が進んでいるからといって、子育てに悩みがあるという流れが一切わからなかったというのが残念と言うか、結局何が言いたいのか、わからなかったというのが最終的な感想。
    この番組を見て、今、子どもたちに何もさせない教育なのかな、世の中が、ということをすごく感じてしまい、そんな教育に日本はなってしまったのか、ということのほうが、実はショックだった。
  • 長崎で生まれ、育っていく子どもたちのために何ができるのかを考えるきっかけになるような事例を紹介してあり、子育てが終わった世代も興味が持てるような番組だった。
    特に、諫早市の学童保育の「そらのたね」の取り組みは、子育てに対する「思い」が感じられ、新しい子育て支援の1つだと思った。初代ペンギンハウスもそうだが、取り組んでいる方の「思い」にクローズアップすると、その事業の本質みたいなものが伝わってくる。「思い」を語る方の表情(涙)や言葉のトーンは、映像だからこその醍醐味だと思う。
  • 最後まで番組を見ても、何を考えたらいいのかが、はっきりよくわからない形で終わってしまったように思う。それが、どういう理由なのかと考えてみたら、現在の子ども、今回は子どもの分類からいくと幼児と児童、1歳から4歳と、それから5歳から10歳に焦点が当てられていると思うが、取り巻いている問題が何なのかということが、把握できなかった。諫早の学童保育のかまどのご飯については、体験が重要って、なぜ体験が重要なのか、どうしてその課題があって、その体験が重要だという認識をして、そういう取り組みをされたのかということがよくわからなかった。
    考えるためのきっかけとしての、幼児、児童を取り巻く問題がわからないので、取り組みの仕方もわからない。そのような感じで番組が終わってしまった気がする。
  • タイトルからこの内容を想像するのがちょっと難しく、タイトルから想像した番組の内容が、イメージとはちょっと違っていたというのが、全体の印象。
    良かった点は、ゲストにスザンヌさんを起用し、もちろんスザンヌさんは、最近割とまたテレビに出演され始めたところがあって、しかも九州、熊本の方ということで、割と昔からなじみのある方というところ、キャラクターもひょうひょうとしていて、こうするべきだという感じの押しつけ感がないキャラクター、また、等身大の答えをされるところは、同じように子育てをされているご夫婦とか、悩まれている方が素直に聞ける内容になっていた。
    超早産児だった朝陽君のパートも、最新の取材内容が入っていて、非常にジャーナリスティックというか、取材をされているなというところが感じられた。ニュースとしても非常に意義あるパートだった。
  • 冒頭に少子化というところがかなりフューチャーされていて、かつ、温暖化とか、経済困難、紛争、ウイルスとの戦いがある中で、それでも子どもはという、かなり重たい感じのメッセージで入ったので、番組のハードルが最初で上がったかなという感じがした。
    最初にタイトルから想像したというか、番組の冒頭を見て想像したのは、少子化に対する何らかの解決策というか、方策のヒントみたいなものがひも解かれていくのではないだろうかという期待を持って見てしまったためか、その後の紹介されるエピソードがちょっとちぐはぐな印象、少子化に対する回答につながるのかなと見てしまうと、「ちょっと違うかな」という印象は拭えなかった。
  • 自助、公助、共助の3つが出てきたが、公助を飛ばして共助の話に行ってしまった。やはり公助は大事であり当然だから、長崎の公助ってどうなのか、という投げかけがあった上で共助にいったほうが、企業とか団体ができる取り組みを一歩ずつ始めていきましょうというところに説得力が出たのではないか。番組が、せっかく1時間もあったので、公助に関する検証みたいな、少し堅くなってしまうかもしれないが、そういうところはあってもいいと思った。その流れでいうと、熊本からいらっしゃったスザンヌさんが、熊本の子育て環境と長崎の子育て環境がどう違うとか、そういう自治体間の差、子育ての予算の置き方とかも含めて違うと思うので、そういうところを知りたかった。
  • 番組冒頭で「少子化」のグラフを示し問題提起があった。この番組は少子化をどう変えていくかを考える番組なのだろうと想起したが、内容的には、少子化問題の克服に向けたものではなかったように感じた。実際、少子化に直接アプローチする番組作りは難しいと思うが、今回紹介されたいずれの内容もその傾向は薄く、それぞれはとても素晴らしい取り組みだと思うが、2度ほど出てきた少子化のグラフとの整合性は薄いと感じた。
  • 体験することに関して、子どもなら誰でも体験できるようなサービスとか、そういう施設を紹介していくべきだったと思う。誰でもサービスが受けられるような体験型の施設やサービスを探し出して、番組の中で紹介できれば一番良かったのではないか。
    十八親和ペンギンハウスについては、全く知らなかったので驚いて、こういうことをされている企業もあるんだと、非常にびっくりした。社会全体とか、企業を含めて、どうしたら子育てに関わりを持てるのかという意味ではよかったので、その辺をもう少し広げていくなり、十八親和ペンギンハウス、ボランティア募集という看板もちらっと映っていたので、そこで働いているボランティアの考えとかも、インタビューでも何でもよかったので、お話があれば、自分も参加してみようかなとか、ある程度子育てが終わった方たちも含めて、社会全体で子育てにつながるのではないかと思うので、そういった広げ方のほうが、よかったのではないかと思う。
  • 個人レベルの行動変容というのがとても起こしにくいというのが、いわゆる少子化とか子育て支援の問題ではないかと思う。子育て支援はそうではないが、少子化は少なくともそうだと。その中で、子育て支援、子育てを社会的なもので受け止めるとして、私たちに何ができるのだろうと、私たちにできることってあるのかな、というのが、この番組だったというふうに理解する。その意味では、何となく「もやもやとした」という意味では、少なくともいろいろ考えさせられたという思いを持っている。
  • 自助、共助、公助の話があったが、ここは少し番組の中で気になっている。要するに、まずは自分で努力をしてください、次に、共助、家族とか地域社会でやってください、その後に、政治とか行政の仕事という。その中で、公助に対する検証というか、点数が少し甘い、国も自治体もいろいろやっていますと、出演者が、さらっと言ってしまう。しかし、共助、それを中心に据えて、皆さんの家族とか、周りの責任でやれることがまだあるでしょうということだけに議論を向けていくのは、危険であり、注意が必要だと思う。
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