番組審議会報告

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第599回番組審議会 2025年7月9日

第599回番組審議会は、2025年7月9日にテレビ長崎本社で開催され、下記の番組について審議を行った。

審議議題番組 『私学☆キラリ2025』
2025年6月20日(金) 19時00分~20時00分放送 *ゴールデンタイム

出席委員(順不同・敬称略)

田崎 智博
内田 輝美
近久 宏志
吉井  剛
藤岡良規
河村 有教
北村 由香
樋口 聡子
以上 8名

欠席委員(順不同・敬称略)

なし

審議の概要

概要

  • 番組:私学☆キラリ2025(長崎県内の私立高校7校を各約7分で紹介)。長崎大学の教員によるキャリアデザイン授業、海外で働く社会人へのインタビューを含む。
  • 放送:2025年6月20日(金)19:00-20:00(ゴールデンタイム)、秋に再放送予定。放送当日に全編をYouTubeへ公開。

評価された点(長所)

  • 生徒主体のナビゲーションにより「学校の雰囲気」がリアルに伝わり、視聴者(中学生・保護者)に親しみやすい。
  • 動画による表現はパンフレット等の紙媒体より印象に残りやすく、学校PRとして有効。
  • 在校生・教職員・卒業生の声を通して、進路や部活動など多面的に紹介できている点を評価。
  • 番組とオープンスクール案内を連動させることで受験生への実効的な動線が見込める点を高評価。

指摘・懸念点

  • 「誰が対象か(中学生)」が番組の冒頭やタイトルで明確に示されていないため、ターゲット訴求性が弱いとの指摘。
  • 学校選定の基準(なぜ7校か、協賛の有無と関係があるか等)について説明不足で、誤解や疑問を招く可能性。
  • 各校の紹介にばらつき(部活動中心になり過ぎる等)があり、視聴者が比較・選択しやすい共通情報(所在地、学科・コース名、学費、進路実績など)の一覧提示が不足。
  • キャリア教育パート(自己分析や海外で働く人の紹介)は中学生にとって実感が湧きにくく、番組全体との接続が弱いという指摘。地元OB/OGなど身近な事例の方が有効との意見あり。
  • 放送枠(平日19時)は親子同時視聴を期待するには挑戦的で、周知方法・告知チャネルの強化が必要。
  • 一部編集(画面切替や音楽)の雑さ、ナレーションやリアクションの過度さ、在校生の発言で将来の進学先を具体的に示す場面の配慮不足を指摘。

制作・運用に関する情報(制作側説明の要旨)

  • まず前年参加校に声掛けし、空き枠や手を挙げた学校を加えて7校を構成。学校ごとの「出したいイメージ」と局側の演出を調整して制作。
  • 撮影では生徒アンケートや生徒撮影素材(GoPro等)を活用し、音楽はフリー音源で全体の雰囲気を統一。放送前に各校へ確認し、NG素材の差し替え等には対応。

改善提案(次回に向けての実務的提言)

  1. 番組冒頭や番組名周りで「中学生(&保護者)向け」などターゲットを明示する。
  2. 各校の共通データ(在籍数・コース・学費・寮・最寄駅など)を一覧で示す枠を設け、特色紹介は別にすることで比較しやすくする。
  3. キャリアパートは中学生の関心に即した内容(地元OB/OGの就職・進学事例、学校での進路サポート等)に調整する。
  4. 放送前の周知を強化(可能な範囲で学校・教育委員会への案内、YouTube等への誘導告知を事前に行う)。
  5. 学校選定や協賛の仕組みについて、誤解を招かない簡潔な説明文を用意しておく(例:「前年参加校を優先し、一部手挙げ校を加えて選定」等)。
  6. 編集の丁寧さを徹底(演奏シーン等は曲の把握ができる演出、学生発言の表現配慮)。

総評

生徒主体の構成は非常に有効で、番組自体の価値は高い。一方で「中学生が何を知りたいか」を起点に構成と周知を更に磨き、比較しやすいデータ提示とキャリア教育のターゲティングを最適化すれば、より実用的な進学情報番組としての効果が高まると思われる。

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