第601回番組審議会 2025年10月15日
第601回番組審議会は、2025年10月15日にテレビ長崎本社で開催され、下記の番組について審議を行った。
審議議題番組 『精霊流し2025』
2025年8月15日(金) 24時45分~25時40分放送
出席委員(順不同・敬称略)
田崎 智博
内田 輝美
近久 宏志
吉井 剛
藤岡良規
河村 有教
北村 由香
樋口 聡子
以上 8名
欠席委員(順不同・敬称略)
なし
審議の概要
総評
- 全体として「いつもの精霊流し」として好印象。冒頭の県庁坂中継は良かった。
- 番組内でフルネームを扱う際の配慮(個人情報・プライバシー)を検討してほしい。
- 番組構成について、地区別に見せるのか時系列で見せるのか方針をはっきりさせることを提案(個人的には時系列で昼→夜と見せる方が雰囲気が出る)。
- MCの安定感(浴衣の印象も含め)は高評価。
- 遺族の思いや送り出す雰囲気がよく伝わっており、番組として良い。
- 長崎外の視聴者には専門用語(ミヨシなど)や地域名が伝わりにくいので、説明や地図が欲しい。
- アナウンサーの衣装(浴衣)の選択は好評。
- 番組は長崎文化の理解に資する良い内容で、遺族の思いに胸を打たれた。
- 特に故人の逸話や手作りの意匠(ヒマワリ、ステンドグラス等)が感動的で、制作側の丁寧さが伝わる。
- 番組は地域ごとの多様な風習の違いを示しており教育的価値がある。
- 放送で触れなかった「事前(精霊棚、提灯、迎え火)」「事後(船の最終処理、街の清掃)」の扱いについて説明が欲しい。船は最終的にどうなるのか(回収・処理の流れ)を知りたい。
- 中継映像の字幕(耳の不自由な視聴者への配慮)が課題。生中継や音声が騒がしい場面の字幕処理について検討を。
- 葬儀社による"もやい船"の存在や、家族以外(友人・弟子)が出す慣習についての解説は興味深く、背景説明を拡充してほしい。
- ペット供養の取り上げも多様性の面で評価。
- KTNらしい地域密着の温かさ・真摯さを感じる良番組。臨場感のある映像で現地の雰囲気を伝えている。
- ただし多数のトピックを詰め込むあまり、ワンパターン化・駆け足感が生じている箇所がある。重要なエピソードはもっと時間を割いて深掘りするべき。
- カメラの「引き(街全体を俯瞰する画)」と「寄り(家族の表情)」の使い分けに工夫を。
- 収録映像とスタジオ音声が被る場面があり聞き取りにくかった。爆竹や騒音でのインタビュー音声の明瞭化が必要。
- 「もやい船」の増加や家族構成の変化など、現在の精霊流しの"今"を示す背景説明(社会的要因)を入れると視聴者の理解が深まる。
- 進行・解説の落ち着き、過剰な演出がない点は高評価。故人や遺族の思いに寄り添った描き方で好感触。
- 視聴者(特に県外)にとって知りたい周辺情報(流し場の場所・ルート・船のその後・地域の変化等)が不足している。
- 制作側の狙い(人に寄り添う取材中心)と記録的側面(街全体の賑わいを俯瞰する映像)のバランスについて、今後の編集方針として検討を促す発言あり。


