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長崎・被爆80年

核なき世界は「誰もが生きやすい社会」 核兵器問題にジェンダーの視点を、と大学院生の活動

原爆や核兵器を「ジェンダー(社会的な性の役割)」の視点で見ると、どのように見えるのだろうか。

東京の大学院生・徳田悠希さんは「これから核兵器の問題を考えるにはジェンダーの視点が必要だ」と主張する。

振り返ってみると、長崎に投下された原子爆弾の名前は「ファットマン」、太った男性を意味する。反核・平和運動においても、男性が先頭に立ち、女性が活動を支える姿が目に付く。長崎市の平和公園に建つ平和祈念像は原爆に対抗し、強烈な印象を与えるため構想段階から男性の像にすることが決まっていたという。

徳田さんは2023年、核兵器の問題を話し合うのにジェンダーの視点を取り入れてもらいたいと「GeNuine (ジェヌイン)」という団体を立ち上げた。主に関東の学生が中心でイベントを開いたり、情報を発信したりしている。24年に制作した約5分半のアニメーション動画では核兵器を「男らしさ」や「力」の象徴として捉えてきた社会のありようが描いた。「戦争中って戦地に行く男性、中に残る女性。『こうあるべき』と像がつくられていく。動画を教育の場で活用し、議論してもらいたい」徳田さんは力を込める。

国際会議などへも参加し、国籍も思想も違う人たちと語り合うことで得られる新しい視点。核兵器のない世界は誰もが生きやすい社会につながっている、ジェンダーという新たな切り口は被爆地から日本、世界へと核兵器廃絶の取り組みをさらに広げていくきっかけになる、と訴える徳田さんの話に耳を傾けた。

(202535日放送)

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