ホームニュース原爆で破壊された「浦上の鐘」 アメリカ人信徒の浄財で復元され一般公開【長崎市】

原爆で破壊された「浦上の鐘」 アメリカ人信徒の浄財で復元され一般公開【長崎市】

2025年05月26日 18:37

原爆で破壊された長崎市の浦上教会の鐘の一般公開が24日から始まっています。

アメリカのカトリック信徒500人以上からの浄財で、被爆80年にあわせて鐘の復元が実現しました。

一般公開は長崎市の浦上教会そばの原爆遺物展示室で始まりました。

鐘は被爆80年の今年、アメリカのカトリック信徒たちから贈られたものです。

鐘楼に取り付られる前に一目見ようと、初日から信徒や観光客など多くの人が見物に訪れました。

浦上教会 教会学校の子ども
「思ったより大きくてすごいなと思った」「これからどんな鐘の音が鳴るのか楽しみ」

浦上教会には元々、2つの鐘楼に大小の鐘が吊るされていました。

しかし アメリカが投下した原爆によって教会も、そして北側の鐘も大きく壊されました。

片方の鐘楼は80年経った今も空のままです。

被爆二世・浦上教会の信徒 森内浩二郎さん(72)
「父親からずっと原爆の話を聞いていた。その中の1つに教会の鐘があった」

被爆二世で浦上の信徒の森内浩二郎さんです。

2023年、長崎を訪れたアメリカ、ウィリアムズ大学のジェームズ・L・ノーラン・ジュニア教授と出会い鐘の復元を提案しました。

ノーラン教授は原爆を開発した「マンハッタン計画」に参加した医師の孫にあたります。

長崎と数奇な縁を持つ教授の呼びかけに、アメリカのカトリック信徒500人以上からの浄財が寄せられ、原爆で失われた鐘の復元が実現しました。

森内浩二郎さん
「80数年ぶりにこの地において2つの鐘が鳴る。それは1つの始まりでもある」

福岡から
「日本人であれ、アメリカ人であれ、やったことは賛成できないけど、そのあとの人たちがこういうことを大事にしていくことが大切」

この日は アメリカのカトリック系の大学に通う学生たちも訪れました。

セント・ベネディクト大学 学生
「互いに平和に近づけるよう努力し、いつか世界が一つになることを願っている」

鐘はネイティブアメリカンの聖人の名前と、平和の実現に向けて共に歩む証として「希望のカテリの鐘」と名付けられる予定です。

一般公開は6月1日までで、その後、鐘は鐘楼に収められることになっています。

2つの鐘が揃って鳴らされるのは今年の8月9日午前11時2分。

浦上の丘に復活した2つの鐘の音が響きます。

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