27日から始まるNPTへ被爆者が若者と渡米「残された被爆者としてやるべきことがある」被爆体験の講話も
アメリカ・ニューヨークの国連本部で、27日からNPT=核拡散防止条約再検討会議が始まります。
すでに現地では、被爆者や核兵器廃絶を求めるNGOなど集まって、デモ行進などが始まっています。
イラン攻撃やウクライナ侵攻、核兵器が三度使われるのでは、との懸念の中、長崎からも被爆者などが渡米しています。
県内から現地に向かったのは、原水禁(原水爆禁止日本国民会議)の派遣団として参加する被爆者の川副 忠子さんや被爆二世、それに原水協(原水爆禁止日本協議会)の代表団や高校生、大学生などです。
川副さんは、1歳半で被爆し、当時の記憶はありません。
小学校教諭退職後も平和運動に取り組み、2025年11月、長崎の被爆者4団体のひとつ、県平和運動センター被爆者連絡協議会の議長に就任しました。
長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会 川副 忠子 議長
「今回の原水禁の派遣団の中で被爆者は私ひとり。責任が重い、大きいと思っている」
海外で被爆体験を語った経験も多く、もう、海を渡ることはないだろうと考えていた川副さんを奮い立たせたのは、核をめぐる世界情勢です。
27日から始まるNPT再検討会議では、核保有国を含む約190の国と地域が参加し、核兵器廃絶の道筋を話し合います。
しかし、原則5年ごとに開催される条約の再検討会議では、前回(2015年)と前々回(2022年)は最終文書の合意ができませんでした。
核兵器を増やさない「不拡散」と、保有国の「核軍縮」などを定める「NPT体制」を維持できるか、今回の会議は正念場です。
だからこそ、核兵器の被害を実際に体験した被爆者や被爆地の声が会議の成功に不可欠だと、川副さんたちは考えています。
川副 忠子さん
「被爆60年発刊と被爆70年発刊に被爆体験を載せてくださった方がもう何人も亡くなっている。そういうのを見なが、残された被爆者としてやっぱりやるべきことがあるなと思っています」
現地では母やおばが書き残した手記などをもとに、被爆の体験を語る予定です。
川副 忠子 さん
「記憶にない体験をね、やっぱり広げなきゃと思います。それが、核兵器がもたらす災いみたいなことをね、ちょっとでも世界の人に知ってもらえたらと思ってますけどね」
そして、核なき世界を、と活動を広げる若い世代にも期待を寄せています。
川副 忠子さん
「短い期間に若い人たちっていっぱいのことを吸収してグッと成長する頼もしいなって思います」「彼らの感性が見つけた、私たちが気がつかなかった視点で平和観とか戦争観とか逆に私が知りたいと思っています」
再検討会議に参加する外交官や世界のNGOを対象に、サイドイベントを企画しているのはナガサキ・ユース代表団です。
第14期生は、長崎大学の学生6人です。
ナガサキ・ユース代表団 桑原 和花代表
「将来NPTでリーダーとなっていく世代が行動できるのか。それを若者、海外の方だけでなくNPTで働いているたくさんの方に見せたい」
サイドイベントのテーマは「NPT体制の弱体化」です。
メンバー
「まず、なぜ市民社会の観点からアプローチが必要なのか」
緊迫化する世界情勢の中、核の拡散を防ぐこの条約の体制が崩れるとどうなるのか、市民社会や環境への影響、AI技術の視点から世界各国の参加者とともに考えます。
長崎大学核兵器廃絶研究センター 鈴木 達治郎 前センター長
「初めて聞いて、皆さんが一生懸命やってきたことは十分に伝わっているので、自信を持っていいと思う」
メンバーが活動を始めたのは2025年9月。
高齢化する被爆者から直接、話を聞くなど渡米の準備を進めてきました。
ナガサキ・ユース代表団 嶺井 花音 副代表
「長崎を代表する若者として私たちが国連に行って動かせるものがあるのではと考えて行動してきた」
ナガサキ・ユース代表団 稲田 健心 副代表
「(どうしたら核兵器を廃絶できるか、)長崎が問いを生み出す立場としてどう動けるかが大事だと思う」
被爆地・ナガサキが世界に投げかける重い問い。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃のように核不拡散を議論ではなく力で実現しようとする世界情勢に、専門家や被爆者は危機感を募らせながらも会議の行方を注視しています。
長崎大学核兵器廃絶研究センター 河合 公明 副センター長
「これはもうNPTを超える、そういう状況なんです。そういう重い状況の中で開かれるNPTなので」「不拡散の砦をしっかり守ってく(ことが大切)」
県被爆者手帳友の会 朝長 万左男 会長
「被爆者として(会議の行方を)知りたい、今の核状況が悪いのは分かっているわけだから」「国連の会議だからNPTは方向性を見出せるかどうかにかかっている。そこを直に見聞していきたい」
NPT再検討会議は5月22日までで、長崎市の鈴木市長や県の馬場副知事も演説することになっています。
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