ホームニュース原爆で大破の「浦上教会・北側の小鐘」 被爆80年に米国の信徒などが復元【長崎市】

原爆で大破の「浦上教会・北側の小鐘」 被爆80年に米国の信徒などが復元【長崎市】

2025年05月15日 18:31

被爆80年の今年、原爆によって大破した長崎市の浦上教会の鐘が、アメリカのカトリックの信徒たちによって復元されました。

戦後初めて2つの鐘が揃い、今年の8月9日に平和の音を響かせます。

15日にお披露目された鐘は、被爆80年にあわせてアメリカのカトリック信徒などが復元、長崎市の浦上教会に寄贈しました。

高さ66センチ、直径80.7センチ、 重さ224キロで青銅でつくられています。

カトリック長崎大司教区 中村倫明 大司教
「アメリカの人によってつくられ、投下された原子爆弾によって破壊された鐘を、アメリカのカトリックの皆様が復元し寄贈してくださることは」「共に世界平和の実現に向かって歩んでいけるのだと大きな希望の証を示すこともできるのでは」

浦上教会には、かつて2つの鐘楼に大小の鐘がつるされていました。

しかし爆心地から約500メートルにあった教会は、80年前の原爆で鐘楼とともに崩壊。

南側の鐘楼の大きな鐘はがれきの中からほぼ無傷で見つかり、信徒で被爆者の山田市太郎さんが43年間、原爆犠牲者への追悼と平和を願いながら鳴らしてきました。

カトリック長崎大司教区広報委員会 山田良秋 委員長(山田市太郎さんの長男)
「大小揃った鐘の音が鳴り響くことを、私の父もとても喜んでいることと思います」

一方、北側の鐘楼にあった小さな鐘は大破しました。

この鐘の復元を呼びかけたのはアメリカのウィリアムズ大のジェームズ・L・ノーラン・ジュニア教授です。

教授の祖父は医師で原爆開発の「マンハッタン計画」に参加しました。

長崎のカトリック信徒との出会いをきっかけに、アメリカのカトリック信徒などに復元の協力を呼びかけ、500人以上から10万ドルを超える寄付が寄せられたということです。

ジェームズ・L・ノーラン・ジュニア教授
「(戦後初めて)2つの鐘が共に鳴り、平和のハーモニーを響かせる、とても美しいものになると期待している」「この鐘が浦上、長崎の皆さんの喜びであることも願っている」

復元、寄贈された鐘は5月24日から6月1日まで、浦上教会そばの信徒会館で一般公開されます。

その後、7月17日以降に鐘楼に収められ、今年8月9日午前11時2分に二つの鐘が平和の鐘の音を奏でます。

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