ホームニュース「熱中症」は“労働災害“…備える企業で説明会 6月の法改正で報告・周知体制が義務化

「熱中症」は“労働災害“…備える企業で説明会 6月の法改正で報告・周知体制が義務化

2025年05月21日 18:25

気温や湿度が高く、熱中症に注意が必要な季節になりました。

2024年、全国では1000人を超える人が熱中症で4日以上休むなど、深刻な労働災害の一つになっています。

対策の強化に向けて6月、法律が改正されるのを前に西彼・時津町の工場で説明会が開かれ、作業員などが熱中症を防ぐポイントを確認しました。

長崎産業保健総合支援センター産業医 黒崎靖嘉さん
「ペットボトルを開けるって、実は結構、力もいるし」「これができないというのは、ちょっとまずい状態だと思ってください」

外壁のメンテナンスなどを担う「日本ビソー」の長崎製作所で、21日に熱中症の症状や注意点について説明会が開かれました。

黒崎靖嘉さん
「数分後に意識がなくなることがある。だから絶対に目を離さない」「おかしいと思ったら必ず誰か付き添ってください」

2024年、熱中症による労災は全国で1195人と、過去10年間で最も多く、このうち30人が死亡しました。

県内でも建設業や製造業などで24人が労災と認定されました。

職場での熱中症の重症化を防ぐため、6月1日、労働安全衛生規則が改正されます。

長崎労働基準監督署 井上和秀 署長
「作業を中断し、体を冷やして医療機関に搬送するための手順を作成していただくほか、これを関係労働者に周知しておくことも求められています」

21日は救護訓練もあり、症状が軽い場合は氷のうで首や脇、太ももを冷やすなど適切な処置を学びました。

最新の熱中症対策グッズも紹介されました。

ヘルメットにセンサを装着し、作業場の温度や湿度、作業する人の脈拍などの異常を検知することができるといいます。

日本ビソー長崎製作所 中村裕介 所長
「クラウドを利用したかたちで作業者の意識とは別に」「離れた管理者のほうに連絡がいくというのが、すばらしいなと感じました」

長崎地方気象台によりますと、8月にかけての気温は平年より高くなる見込みで、早めの熱中症対策が必要です。

6月から法律がどう変わるのでしょうか。

事業者は熱中症が疑われる場合、本人や気付いた人に報告させる体制を整えること、症状を悪化させないために必要な措置や手順を定めること、これらをあらかじめ従業員に周知することが義務化されます。

事業者が怠った場合、6カ月以上の懲役、または50万円以下の罰金となるおそれがあります。

熱中症の見分け方はどうすればいいのでしょうか。

手足がつる、めまい、吐き気、汗のかきかたがおかしい、ボーっとしているなど様々です。

ただ、軽症の段階から自己判断能力が低くなり、気付かないうちに進行しているケースもあります。

周りの人も「いつもと違うな」と思ったら、声かける必要がありますが何より予防が大切です。

寝ている間に汗をかいたり、朝、トイレに行ったりして500ミリの水分が失われるといわれています。

起きたときはすでに軽い脱水状態です。

そのため・朝食は抜かない、三食食べる・睡眠と休養をしっかりとる(体温調整に影響)・軽い運動で上手に汗がかける体をつくる・体調不良のときは無理をしないなど熱中症にならない生活を心がけましょう。

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