軍艦島で「過酷な環境下の知見得たい」 ゼネコンが研究拠点施設を設置へ 緊急時の避難施設にも活用
世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつである長崎市の端島、通称・軍艦島に大手ゼネコンが研究拠点施設を建設します。
災害や体調不良者が出たときの一時避難施設としての活用も期待されています。
軍艦島に研究拠点施設を建設するのは、大手ゼネコンの清水建設です。
清水建設は、かつて島内で日本最古の鉄筋コンクリートアパート、30号棟の建設などを手がけました。
長崎市との連携協定の締結で、今後はVRコンテンツの制作などに取り組みたい考えです。
15日には軍艦島の一部が報道陣に公開されました。
島には、2024年度に約21万人が訪れた一方、護岸の補強工事が2041年までの計画で行われているほか、建物の保全に向けた調査が進められています。
KTN記者
「波の音がはっきり聞こえます。島の西側にやってきましたが、足元はガレキで覆われていて、正面の建物は波で浸食されています」
施設は島の北側に、木造平屋約50平方mの広さで建設されます。
軍艦島に新たな建築物ができるのは55年ぶりです。
基礎部分には島のガレキを使用。
人力で組み立てられる軽量のパネルや、2年間くみ取りせずに使える循環式トイレを採用します。
施設は、災害や体調不良者が出たときの一時避難施設としての活用も期待されています。
KTN記者
「島の西側と打って変わって、こちら島の北側は海に近いにも関わらずあまり波の音は聞こえません。足元をご覧いただきたいんですが、草が生い茂っています。これが潮の影響を受けていない証拠だということで、だからこそ、ここに施設が建設されます」
トイレの整備を除き、施設の建設は清水建設が無償で引き受けます。
そこには、ある狙いがありました。
清水建設 香田伸次 特別理事
「(軍艦島は)離島であり、インフラが整備されていない、過酷な環境下で(建設する)実証実験として知見を得たい」「今後、離島とか山岳地帯とか、被災地の復興とかにノウハウが役立つ」
施設は、建設に向け11月に資材の搬入が始まり、2026年3月の運用開始予定です。
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